CASE STUDY

導入事例

縦読み漫画制作で大切な着彩工程を支えるBrushup 工程が多くても作業の進捗が一目で分かる

STUDIO ZOON 様

第二編集部 編集長 村松充裕さん

2023年設立。サイバーエージェントグループに属する制作スタジオとして、オリジナル縦読み漫画の企画・制作から販売促進までを一気通貫で展開中。2024年2月からオリジナル10作品の連載を開始、熱量のある縦読み漫画を続々と生み出している。設立当初から Brushup を導入すると決め、2023年5月より活用いただいている。

縦読み漫画作品の印象を左右する「着彩」工程に欠かせない

STUDIO ZOON には現在20本ほどの連載作品があり、それぞれ週刊ペースで制作しています。縦読み漫画はフルカラーのため、通常の漫画であれば、作家からいただいた原稿をそのままデータ化して確認すればよいのですが、縦読み漫画の場合は、着彩の工程として「下塗り」「仕上げ」と、それらの確認作業が増えることになります。

この着彩の工程が縦読み漫画にとって非常に大切です。なぜならキャラクターや背景の色味だけでなく、「視点をどこへ導くか」「何を印象的に見せるか」というストーリー演出まで左右する要素だからです。下塗りで OK が出て仕上げに進んでも、思った効果が出ていなければ修正します。細かな締切を控えながら着実に作業を進められるツールとして Brushup を活用しています。

導入しているのは編集者・制作進行・着彩担当で、合計30名ほどで、社内外を含めた着彩チームの制作のために使っています。

前職の講談社時代に「めちゃくちゃいい」と思った

私が初めて Brushup を知ったのは、前職で講談社の漫画編集をしていたときです。2020年のコロナ禍の際に、リモートワークで校了作業ができるツールとして実際に使ってみたところ、「必要な機能がそろった漫画編集に最適なツールだ!」と感じました。

Brushup であれば入稿から印刷直前までの工程全てがデジタルサービス上で完結します。かつ作品ごとにステータスを分けられるので「今誰がボールを持っているのか」が明確です。カスタマイズ性も高く編集部それぞれのやり方を吸収でき、めちゃくちゃいいツールだなと思っていました。

縦書き漫画の作品を手がけるなら、先ほど述べた着彩工程が増えるのは確実です。とてもドライブや PDF でバラバラに管理できる量ではないと想像して、スタジオの設立時からデータを一元化できる Brushup を導入しようと決めていました。

自社に合ったステータスを設定できるので、作業の進捗がわかりやすい

スタジオのメンバーは誰も Brushup を知らなかったんですが、使い始めるとすぐに慣れました。現在はステータスを「未着手」「編集部確認」「修正対応中」「校了済」「着彩」などで色分けしているため、作品の一覧を見た際に、それぞれの進捗状況が一目で掴めます

データについて、作家の確認が必要なときはスレッドの URL を共有して見に来てもらっています。見せたい段階だけ見せられる仕組みは便利です。

1つのストーリーは極端な縦長画像になりますが、修正したい部分は赤で囲んでビジュアルで指定できるので分かりやすいです。修正ログも一元化したいので、指示は Slack などを使わずに Brushup でやり取りしています。

制作進行の担当者は、Brushup 内の進捗を見ながらスケジュールを調整したり、製版工程まで進めたりしてくれます。通常の漫画と比べて縦読み漫画は一定の工程ごとに締切があるので、編集者が制作進行まで管理していると、担当できる作品数が減ってしまいます。管理コストを減らし、編集者が打ち合わせと校了だけに集中できる状況を実現したいと考えていました。Brushup を介して、今はそれに近い状況になっていると思います。

作家性を尊重した制作現場、作り手側の心理が分かるのが強み

着彩の仕上げは、作品を読み込んでストーリーを理解し、「何が期待されていて、何を見せたいか」を捉え、色で表現する作業です。この部分はぜひ ZOON の作品で確認していただきたいんですが、1コマ1コマに「ここをリッチに見せよう」とか、逆に「あえて暗く見せて次のコマのインパクトを高めよう」など、さまざまな演出が行き渡っています。縦読みならではの動きの描き方についてもノウハウが溜まってきました。

細やかな演出を実現するために、連載前は作家・編集者・アートディレクターが何度も直接話して目線を合わせます。私たちはこれを「握る」と呼んでいますが、「握る」段階まで来れば制作は Brushup 上でスムーズに進められるようになるんです。

STUDIO ZOON のこのスタンスは、よく作家の皆さんにも褒めていただきますね。「生産する道具として扱うのではなく、クリエイターとして納得できるところまで連れて行ってくれる」と言われたこともありました。実際に出版編集やクリエイターとして活動した人間が中にいるので、作り手側の心理が分かるのが STUDIO ZOON の強みです。これからも新しいクリエイターと出会って、一緒に面白い作品を作っていきたいと考えています。

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