
アナログで古い慣習が残る映像配信業界。関係各社間のコミュニケーションをBrushupでつなぎ、業界全体の変革へ
マイシアターD.D.株式会社 様
デジタル・ディストリビューション事業部
オペレーション部
部長 石原 はるかさん
素材グループ 山根 裕子さん
権利元500社より10,000タイトルを超える作品を預かり、国内ほぼすべての映像配信サービス事業者、40サービス以上に映像コンテンツを提供している、マイシアターD.D.株式会社。2015年からは映像配信サービス事業者と協業し、人気テレビアニメシリーズを中心に調達代行業務も手掛け、デジタル配給事業と作品調達事業で日本の映像配信業界を支え続けている。監修作業の効率化を目的として2024年5月よりBrushupを導入。
拡大し続けるVOD市場。監修作業の煩雑さは業界の課題だった
石原さん マイシアターD.D.の「D.D.」なのですが、これは“デジタル・ディストリビューション”を意味していまして、その名の通り、弊社はデジタル配給事業を手掛けています。映像配信サービス(VOD)が本格化した2011年に広告代理店や民放TV局、映画配給会社など5社合同出資により設立された会社で、現在は約500社の権利元から10,000タイトルを超える作品をお預かりし、それを国内ほぼすべての映像配信サービス事業者、40サービス以上に提供しています。
私たちの部署では、映像配信の際に利用するアートワーク、具体的には、映像コンテンツの作品紹介用キービジュアルやプロモーション用バナーといったものになりますが、これらの制作や監修を行っています。例えば、ある映像コンテンツが配信されることになって、キービジュアルを用意しなければいけないとき、あらかじめ制作していたものを提供して終わりということではなく、各サービスの機能やデザインに合わせて、縦・横サイズ、表示エリアに合わせたサイズ調整をしたりと、複数パターン用意しなければいけないんです。最近では各サービスともに工夫を凝らしているので、クリエイティブに対するこだわりも強くなってきたように思います。必然的に制作物の数や関係者の人数、担当者とのやりとりも増えますし、日々大量のメールが飛び交っている状況でした。
山根さん 関係者とのやりとりは全てメールで行っていたのですが、例えば、権利元にアートワークの確認依頼を出すときには、メールに複数ファイルを添付し、本文に各ファイル名とそのファイルに対しての制作や修正に関する内容説明を記載します。制作意図や修正内容を齟齬のないように伝えようとすると、1200文字を超えるような長文になってしまいますし、丁寧に伝えたとしてもやはり文章ですべてを説明するのは難しく、認識に齟齬が生まれたり、メールの内容を電話で確認したりと手間がかかっていました。関係者が多いため、自分宛てのメールを見落とすこともありましたし、現場はもちろんですが、社外からも、もっと監修がスムーズにできないかという声があがっていました。
大量メールからの解放。コミュニケーションコストが大幅に削減された
石原さん 毎日メールのやり取りに忙殺され、いつまでも仕事が終わらないような状況で、この業務環境を改善できないかと思いサービス導入の検討をはじめました。他社のサービスも調べたのですが、使い方が複雑で。当時から他社の関係者も使うことを想定していたので、誰もが簡単に使える、自分がレクチャーしやすいツールを探していました。Brushup に出会ったのはその時です。デモを見せていただいて、これなら私の考えていることが実現できそうだし、他社にもお勧めできるなと思いました。すでに使用しているツールに親和性があり、操作も直感的でわかりやすかったのも導入の決め手になりました。
山根さん 実際に使ってみて、特に便利と感じているところは2つあります。1つ目は業務の進行状況が共有できるようになったところです。アイテムごとに担当者やステップ、期限を細かく設定することができるので、どこのフローで止まっているのか、誰が見てもわかります。メールだと、そもそも読まれているのかもわからなかったのですが、既読の有無がマークによってわかるようになりましたし、自分に来ている指示もアイコンなどでパッと見てわかるようになったので、大量のメールに埋もれることもなくなりました。また、プロジェクトに関わる人だけにアイテムを表示することもできるので、セキュリティの観点からも安心して依頼を出せるようになりました。
2つ目はクリエイティブの制作や修正の指示を簡単に分かりやすく伝えることができるところです。先ほどお伝えした通り、これまでは全てメールで、ファイルと長文の説明を添えて送っていました。Brushup を使うようになってからは、クリエイティブ(レビュー)内に直接コメントを書き込むことができるので、どのファイルのどの箇所の説明かが一目でわかるようになりました。また、チャットのように使用できるので、短いコメントやスタンプで返信ができるようになって、長文を送っていた頃と比べて本当に楽になりました。
石原さん 大げさではなく、メールのやりとりと内容の確認に一日の大半を費やしているような状況でしたが、今では当社からの依頼に対して、権利元はチェックが完了したらボタンを押すというワンアクションで完結します。おかげさまで、Brushup を使うようになってからコミュニケーションコストが大幅に削減できました。その分、新しい取り組みに時間を割けるようになり、部内の生産性向上にもつながっています。
権利元、映像配信サービス事業者、ともにBrushup上でコミュニケーションがとれるように
石原さん 私たちは権利元と映像配信サービス事業者のハブとして、作品の権利と世界観を守りながら、質の高いアートワークをスピーディーに提供するという役割を担っています。権利元と映像配信サービス事業者の間にたっているからこそ、映像コンテンツが配信されるまでに多くの人の労力とこだわりが詰まっていることがわかります。
現在、複数の権利元と Brushup でやり取りをさせていただいていますが、お使いいただいている皆さまからは、スムーズにやり取りができるようになったと好評の声をいただいています。やはり関係者間のやり取りがアナログで非効率であることは、業界共通の認識であり、その改善が課題となっています。だからこそ、これまでの業界特有の古い慣習から脱却し、関係者間のコミュニケーションのとり方を変えていかないといけないなと強く実感しています。
今後は、より多くの権利元、映像配信サービス事業者と Brushup上で連絡を取り合えるよう、私たちが間に入って調整し、業界全体のコミュニケーションコストの削減と生産性向上を実現することで、VOD市場の活性化に貢献したいと考えています。